たねを守り繋いでいく意味


昨年から遺伝子組換えに関する映画や伝統野菜の良さを伝える映画が日本でも数々上映されたこともあり固定種や在来種という伝統野菜に注目が集まっています。

種子法もまもなく廃止になります。

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僕はお米や野菜を自然農という無農薬で耕さない農法で作っているのですが、その上で「在来種」「固定種」を作る事も大切にしています。

最近の野菜は効率(高収量・味・耐虫・耐病性など)を重視した、F1と言われる「一代交配種」が主流になってきて、だんだんと伝統野菜を作る農家は減ってきています。
有機農業の生産者も大規模に生産してるところはF1品種を使ってるひとも多いように思います。
無農薬でたくさん作る場合はどうしても固定種だと非効率になりがちなので仕方のない事だとも思います。

昔ながらの品種で、今では作られなくなって、失われていった野菜はたくさんあるそうです。最近では遺伝組み換え種子と交雑することでの遺伝子汚染も進んでいます。

F1品種はもともと化学肥料や農薬を使う事を前提に開発された品種なので、実は固定種や在来種の野菜のほうが自然農・自然栽培・有機農法との相性もいいように感じます。

固定種の特徴として収穫にばらつきがあるというのがありますが、大規模生産者にとっては大規模農家にはデメリットですが小規模に作ってる生産者、自給自足や家庭菜園されてる方にとってはむしろメリットのような気がします。

僕は味に関しても甘みだけを追求した一代交配種の野菜の味よりも、辛味、苦味、酸味があったりするほうがむしろ深みのあるおいしさがあると思います。

個人的にはこういった昔ながらの野菜や果物の方が好きだし野菜の個性を最大限に引き出してあげるのも料理に携わる人の役割だとも思います。

もともと、郷土料理はこういった地方野菜の持ち味を生かしたものが多かったが、伝統野菜とともに、近年はこういった伝統的な郷土料理も少しづつ失われてきているように思います。

在来種と言うと「京野菜」とか「加賀野菜」とかはその代表的なものですが、日本各地にその地方野菜があって、愛知県にも「愛知の伝統野菜」があります。

本当の意味での「身土不二」という事を考えていくと、やはり自分の住んでいる気候風土に合うように百姓が代々、種取りを続けてきた昔ながらの野菜が体にとっても優しいと思うのです。

種を守ると言うことは、きっと先人の野菜作りに込めた想いも守り伝えていくということ。

たねをきっかけに人と人とが繋がる場つくりもしていきたいなと思います。

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